本研究室では次の手法に基づいて研究をおこいます.
(1)データ解析,(2)実験,(3)理論・数値計算
(1)データ解析,(2)実験,(3)理論・数値計算
身近な天体である月は,どのような過程を経て,火山活動をしてきたのでしょうか?そのような痕跡は,月の地下に隠れているかもしれません.
本研究室では,月の周回衛星で取得された様々な観測データを用いて,月の地下構造や地質を探索しています(図1).これらの観測データは,ASTROPEDIA・かぐやデータアーカイブなどのWebサイトで無料で公開されています.本研究室では,これらのビッグデータを解析し,月の複雑な火山活動史の解明に向けた研究に取り組んでいます.近年,Nature系のオンライン学術論文誌「Scientific Reports」にも研究成果が掲載されています. また,地球まわりの人工衛星の観測データを用いて,圃場での野菜の生育状況を予想し,農家さんの支援に向けた研究活動にも精力的に取り組んでいます. |
月の地盤が硬いのか,脆いのか,そのような疑問を持ったことはあるでしょうか?おそらく,ほとんどの人は考えたことがないと思います.月表層の硬さは,月の冷え方を左右したり,将来の有人・無人月探査の計画に影響したりと重要な観点となります.
本研究室では,宇宙科学研究所の衝突実験施設(図2.1)を利用し,人工クレータを作成することで(図2.2),月表層の物性を明らかにする研究にも取り組んでいます.近年,学術論文誌「Icarus」にも研究成果が掲載されています. |
月には大きな谷があることを知っているでしょうか?実は,地溝と呼ばれる谷が,月には無数に存在しています(図3.1).
月の地溝は,風船を指で押すイメージを持つと,地溝の形成過程を考えることができます.つまり,月を風船で例えると,天体表面には溶岩という重いものが堆積しているため,その荷重が月面(風船表面)を凹ませます.そうすると,荷重まわりの表面が引っ張られることになり,結果として,表面が割れることで,地溝という地形が形成するのです. 本研究室では,荷重による月面のたわみで,地溝ができるか否かを調べる研究にも取り組んでいます.図3.2は,実際に,月面のたわみを計算したものです.他にも,地下レーダシミュレーションに関わる研究にも取り組んでいます. |